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イギリスの妊活事情とは? 専門家が語る、選択肢と透明性の大切さ|ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)公式

イギリスの妊活事情とは? 専門家が語る、選択肢と透明性の大切さ|ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)公式

パンデミックは私たちに時の流れを激しく意識させた。だが、不妊治療を受けるのを待っていた女性以上に、失った1年を痛感した人はいないだろう。不妊治療クリニックは患者数を減らしたり、パンデミックの最悪期には閉院したため、多くの女性が不妊治療の遅れという大打撃を受けたのだ。 こうした遅れは、それまで語られなかった不妊治療セクターの実態をさらけ出すことになった。まず、不妊治療は女性にほとんど選択肢がないシステムであること。また、透明性の欠如により、女性が十分な情報を得た上で自分で決断することが妨げられていることだ。 イギリスの不妊治療クリニックが素晴らしい奇跡を起こし、家族を持つことを助けているのは事実。だが、それでも、妊娠に苦労している人がクリニックで提示される選択肢は高額で侵襲的でるため、体力を消耗してしまう。 不妊治療の経験には個人差があるが、現在ある選択肢は、多くの女性にとって金銭的に実現可能で、体力的にも対処可能なものだ。だがその一方でほとんど選択肢がない人もいる。 現在イギリスで行われている不妊治療は、IVF(体外受精)、IUI(子宮腔内授精)、排卵誘発剤、卵子・精子・胎芽の凍結。これらはどれもある程度のホルモン刺激や医療処置が必要で、体に負担がかかる。 国民保健サービス(NHS)では、IVFやIUIを受けられるかどうかは居住地域によって差があり、相手との関係性やBMIによる資格条件がつけられている地域もある。 また、すでに子どもがいる人やLGBTQ+コミュニティの人の場合は、治療を受けることがさらに難しくなるという。 さらに、プライベート(私費)治療は高額で、イギリスのカップルが不妊治療にかけるのは平均12000ポンド(約183万円)。治療費がこれほどかかるのでは、この方法を選ぶことができるのはごくわずかな人たちだ。 FG Trade Getty Images これらのことを踏まえると、女性がもっと自分の希望通りの治療ができるよう、新しく、手頃な料金で利用しやすい選択肢が求められているのは明らか。現行のシステムが多くの女性をサポートしている一方で、高額な治療費や条件の問題により、治療を受けられない人にとってはまだまだ不十分だ。 これは、不妊治療クリニックは私立(民間)で、大部分は独自のやり方で運営していることが少なからず一因としてある。中には顧客を増やすために実際の成功率をごまかしているクリニックも。 あるいは、ほとんど臨床的に証明されていない治療をアドオン(追加)してアップセリング(高い商品を売りつける商法)していると公に非難されているクリニックもある。 英政府の不妊治療業界監督機関(HFEA)は、こうした追加治療の有効性を3色の信号機システムでランクづけしている。ほとんどのクリニックでアップセリングされた人気のアドオン治療11のうち、HFEAのグリーンライト(青信号)をもらっているものは一つもなかった。 不十分な規制、NHSでの限定的な治療、透明性の欠如が行き着く結果は一つ。それは不妊治療セクターの支援を必死に求めているカップルや個人の選択肢が少ないということだ。 NHSの臨床コミッショングループ(CCG)のサポートや、プライベート治療費を払うことができる経済力のおかげで容易に治療が受けられる人がいる一方で、選択肢が限られている人たちもいる。そういう人たちのために、セクターは改革が必要なのである。 不妊治療セクターは、透明性と包含性を優先したポリシーを形作るべきだ。アクセスのしやすさを向上させるために、価格は規制されなければならない。 また、監督機関は怪しげなアドオン式の治療を禁止し、効果が実証されていないと表示して、弱い立場になりがちな人々を守るべきだ。そして、NHSの条件はLGBTQ+コミュニティや2度目の妊娠を望む人も含めるよう見直しも大切である。 PeopleImages Getty Images 不妊治療セクターが変化することは可能で、新しい不妊治療もある。それを踏まえて、私たちは自宅でできる妊活スタートアップ「Bea Fertility」を設立。“Intracervical insemination(頸管内授精)”と呼ばれる非侵襲性の臨床治療を復活させ、自宅で手頃な価格で治療を行うことができるようにするキットを作った。 他には、Apricityというスタートアップ企業が不妊治療クリニックをより利用しやすいように提案していたり、Hertilityは女性が自分のリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)を理解するのを助けている。 私たちは、現在あるものに加えて別の方法もあるということ、また新しい選択肢は女性それぞれの妊活体験を反映した治療体系を作る上で役立つことを証明しているのだ。 透明性や教育(知識)、選択肢が増えれば、子どもが欲しい人だけでなく、欲しくない人やまだわからない人もサポートできる。 子どもを持つことが誰にでも向くわけではないが、選択肢を知れば、自分に合うものを決められ、よく言われる“子どもが産めるタイムリミット”の不安を緩和することも可能だ。 家族や生殖については私たちが十分知らないことがたくさんある。特に不妊問題の50%を除外する最も簡単な方法は精液検査を受けることだというのは事実だ。 受胎についてのあらゆる面に透明性を持たせるカルチャーがあれば、女性は自分で選択する権限を与えられた気持ちを持ちやすくなる。 現在の不妊治療セクターでは、自由な選択が許されるのはごく少数の人々だけ。そんな現実にもっと目を向けて、決して誰も見落とされないように、アクセスできる幅を広げ深めるべきだ。 さらに選択肢を増やし、セクター全体に透明性のあるカルチャーを育むことで、私たちはこれを実現できるはず。女性の体と家族のことをを考えるなら、これは最低限のことだろう。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 Translation: Mitsuko Kanno From Harper’s BAZAAR.com This content is created and maintained by a third party, and imported onto this page to help users provide their email addresses. You may be able to find more information about this and similar content at piano.io Read Full Article